石川啄木
「石をもて追はるるごとく／ふるさとを出でしかなしみ／消ゆる時なし」 1908年（明治41）の晩春、北海道より上京した啄木は創作生活に没頭、上京後1か月余に『菊池君』『病院の窓』『母』『天鵞絨 ビロード 』『二筋の血』など五つの作品300余枚の原稿を書き、その小説の売り込みに奔走したが失敗、ために収入なく生活は困窮した。 『左様さ。 この夜は温かな母君の手になつた蒲団の上に安らかな穏かな夢を恋人の胸にまで走した。
「石をもて追はるるごとく／ふるさとを出でしかなしみ／消ゆる時なし」 1908年（明治41）の晩春、北海道より上京した啄木は創作生活に没頭、上京後1か月余に『菊池君』『病院の窓』『母』『天鵞絨 ビロード 』『二筋の血』など五つの作品300余枚の原稿を書き、その小説の売り込みに奔走したが失敗、ために収入なく生活は困窮した。 『左様さ。 この夜は温かな母君の手になつた蒲団の上に安らかな穏かな夢を恋人の胸にまで走した。
月四円五十銭は成程この村にしては高い。
今では三国屋といふ木賃が唯一軒。 《臨終記…若山牧水》 細君たちは口移しに薬を注ぐやら唇を濡らすやら、名を呼ぶやらしていたが私はふとその場に彼の長女（６歳）の居ないのに気がついて、探しに戸外に出た。
電燈の光 淡くうつろふ夜の空に どよむ市の叫喚は、頼りない身に 戦の合図を示すけれども、あゝ この遊子 何の敵に向つてその征矢放さふぞ？ 何時も乍ら千万の御世話恭けない程恩ある紀藤さまへよろしう御伝へ下さへ。 石川啄木にとっての『一握の砂』 このような、生活の中から拾った感想の断片を無造作に歌の形式に投げ込んだものが、啄木の作歌道であった 啄木の詩から受ける感銘は、生活そのものの中でわれわれの心を去来するところの、瞬間的な人間くさい感銘であって、白秋や茂吉のように和歌や詩の精神そのものの神聖視による、完璧な作品への願望が動機ではない。
しかし才能と人間性は、必ずしもリンクするとは限らないのです。 ２年に、板垣征四郎（陸軍大臣）、野村長一（作家・胡堂）、３年に、及川古志郎（海軍大臣）、金田一京助（言語学者）、田子一民（衆議院議長）、５年に、米内光政（首相）らがいた。 運命は 蓋し天が与へて 以て 吾人の精進に資する一活機たるのみ。
3兎角する間に今年の春になると、支部長は、同じ会堂で育て上げた、松太郎初め六人の青年を大和の本部に送つた。
『樗牛死後 思起せば隔世の感がある。 薄くらき掲灯の下、人目をさけ 語なくして 柱により、妹たか子の君の手をとりつつ 車中のわれを見つめ賜う面影！！あ、如何にあたたかきみ胸ぞ。 誰でもが経験する心理ではあるが、啄木はその気持ちの振幅がことに大きかったようである。
4死後歌集「悲しき玩具」が出版された。
それは鍛冶屋の隣りのお 由 （ よし ） 寡婦 （ やもめ ）が家、月三円で、その代り粟八分の飯で 忍耐 （ がまん ）しろと言ふ。
親友だった金田一京助は、石川啄木にお金を貸すために、宝物だった高価な文学書を売ってまで用立てたといいます。 - 舞台『泣き虫なまいき石川 啄木』（1986年、こまつ座（初演）、作：）• 渠 （ かれ ）には自信といふものが無い。
14後半は、東京での生活歌が多数を占めるが、「これは刹那々々の生命を愛惜する心」（啄木）というコンセプトである。
