「た、大変。 窓を開けてあげると、ヴィーはわたくしをもう一度だけしっかりと見つめた。 利害関係から始まった二人の関係は、やがて大切な絆で結ばれた真の相棒へと成長し、過去から続く巨大な陰謀と対峙していく…。
19「あのね、マリエッタが言うには、ダンスは好きな人を誘うものなんですって。 ウェブストアに2冊在庫がございます。
どうしてヴィーがあんなに照れているのかしら。 「苦手なダンスを練習してまでセレン嬢にダンスを申し込んだんだ。
入手できないこともございます。 「それが一番分からないの」 わたくしは自分の気持ちを落ち着かせようと、ヴィーの頭から首のあたりまでをゆっくりと撫でながら言った。 出版社内容情報 絶世の美女と謳われる妹マリエッタと比較され、『地味姫』と揶揄されて育った公爵家の長女セレン。
12「セレン嬢」 「なぁに?」 「俺はその、主の気持ちまでは分からないが」 そこまで言って、急にヴィーはわたくしの手を離れ、テーブルから窓下へとジャンプした。
やがてわたくしの顔を緊張した面持ちで見上げて……また視線を逸らした。 尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。
立ち上がったせいでさっきよりもヴィーの黒い瞳が間近にあって、ああ、やっぱり綺麗な瞳だと感じた。 しかし『ざまぁヒロイン』の被害者・王太子には、彼を救ってくれる『真のヒロイン』は現れません。
20ダンスに誘ってきた人たちはお姉様に気があるんだと思うの! なんて力説するのよ。 わたくしも知識としては知っていたのだけれど……今まで誘われたことがなかったものだから自分ごとだとは思えなくて、実はマリエッタに叱られたの」 「妹御にか。
「ごめんなさいね、わたくしが変なことを言ったばっかりに」 「いや、別にセレン嬢のせいでは……それに、その……妹御が言うことも一般的にはあながち間違いではないだろう。 けれどもそのお耳はしっかりとわたくしの方を向いていて、ちゃんと聞こうとしてくれているのが分かった。
8【このレビューはネタバレを含みます】 『ざまぁされるヒロインを主役にした物語』とはこう言うものだろうか、と思えるほどご都合主義にあふれた作品です。
猫ちゃんも咽せたりするのね」 「俺も初めて知った」 「本当にもう大丈夫? お水でもどう?」 「いや、やめておく。 それが分かったのか、ヴィーも大人しくタルトの残りをはぐはぐと口に入れる。
辛口で評価を書いてしまいましたが、これらをうまくまとめる手腕に素直に期待もしています。 滑らかな毛並みがわたくしの手をスリスリと撫でてくれる感触が心地いい。
セレンは、特別待遇の特級魔術師になることで妃になる運命を避けようと、『氷の魔術師団長』ヴィオルから借り受けた使い魔の黒猫と一緒に、円満な婚約解消を目指すことに。