ループ7回目の悪役令嬢 …
「やっぱりな。 人だかりの中心に見えるのは、王家の旗を掲げた馬車だ。 ……いや、それは煩わしいな。
4「カミル、お前が手本を見せてやれ」 そのとき嬉しくて泣いた話が、未だにアルノルトの近衛騎士による宿舎の飲み会でネタにされています。 こんな状況を逃がさないため、夜会中にアルノルトから離れる時間を作っているようなものだ。
僕に婚約破棄された悲しみで、このような有り様に……」 「馬鹿じゃないですか？」 「なっ」 斜め上の解釈に呆れ、リーシェはじとりと半目になる。 一見すると単なる貴族令嬢だが、アルノルトのことを『皇帝』と呼んだ彼女の身のこなしは、相当腕の立つ剣士のものだった。
4（さあ、急がなきゃ！） 珊瑚色の髪にたくさんの葉っぱをつけたまま、リーシェは靴を見る。
今夜は満月ということもあって、少し離れたここからでも、その様子をはっきり見ることができた。 馬を一頭、馬車から外して鞍に付け替えろ」 「いったいなにを……」 アルノルトは、獲物を見つけた狼のように、ひどく好戦的な笑みを浮かべた。
20ここから別の経路を通る場合、夜会のあったホール前に戻らなくてはなりませんよね？」 「まあ、そうなるな」 「お客さまもお帰りになりましたし、いまごろ使用人の皆さんが大急ぎで後片付けをなさっているはずです。 そう思ったのに、しばらくしてアルノルトは顔を上げ、リーシェの方に右手を伸ばす。
「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」の主人公は、20歳で命を落としては婚約破棄の瞬間に戻ってしまう公爵令嬢のリーシェ。 アルノルト「どう考えても、お前より俺の方が常識があると思うが……？」 リーシェ「心外なんですが！？！？」 （あります） ---------------------------------------- 最新話、リーシェに「蛍、綺麗でしょう？」って微笑まれて「そうだな」と答えたときのアルノルトは、蛍ではなくてリーシェのことを見ています。
アルノルトの従者であるオリヴァーは、主君の婚約者に向けて笑いながらこう言った。 ご来店の際にはご確認いただくことをお勧めいたします。
ごろごろしたい決意とは裏腹に、過去の人生で得た経験を発揮し注目を浴びていくリーシェは、 果たして７回目の人生を生き残れるのか……! ＊＊＊ その翌日、アルノルトの執務室でのこと。 ---------------------------------------- オリヴァーには「アルノルト殿下こそ大概睡眠時間が短いではありませんか！！」って言われます。 「リーシェ、夜会で何があった？ 事と次第によっては俺が直々に動いてやるから、言ってみろ」 「ほ……本当ですか？」 「ああ。
6「お前の恐怖を軽んじるような振る舞いをして、悪かった。 3 カテゴリー• だけど、でも、だって！！） 一度死に、そこから繰り返しの人生を生きているリーシェ自身の存在こそが、『幽霊だっているかもしれない』という可能性を示唆しているのだ。
「皆さま、なんのお話しをなさっているのですか？」 「まあリーシェさま！ 良いところにいらっしゃいました。
リーシェはぎこちなく夫人たちに別れを告げ、アルノルトと合流して夜会のホールを後にした。 あれは根も葉もない噂ですよ」 「そ、そうなのですか！？」 珊瑚色の髪をしたその少女は、慌てた様子で念を押してくる。
8自由な右手でそれを受け止め、鞘の上からぎゅうっと強く抱きしめる。 ……本当に、馬鹿げた噂だ」 アルノルトは、ペンを持っていない方の手で頬杖をつき、皮肉めいた口調でこう言った。
